JR西日本の4~9月、最終赤字686億円 新幹線苦戦続く
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JR西日本が2日発表した2021年4~9月期の連結決算は、最終損益が686億円の赤字(前年同期は1280億円の赤字)だった。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響が弱まり在来線は利用者が持ち直しつつあるが、山陽新幹線など長距離線で苦戦が続く。
売上高は前年同期比9%増の4368億円だった。主力の鉄道事業は運輸収入が2100億円と15%回復した。コロナ前の19年同期と比べると新幹線の落ち込みが続き、54%少ない水準にとどまる。
営業損益は861億円の赤字(前年同期は1447億円の赤字)。賞与の見直しや広告宣伝費の削減などで前年同期から110億円の経費削減を進めたが、利用者の減少を補えなかった。非鉄道事業では流通やホテルなども赤字が続く。
22年3月期の業績見通しは予想を据え置き、売上高は前期比14%増となる1兆520億円から18%増の1兆890億円、最終損益は815億~1165億円の赤字(前期は2331億円の赤字)とした。22年3月にかけて、新幹線と在来線の運輸収入がコロナ前の9割に回復する見通しだ。
今後の黒字化の時期については「固定費の割合が高く、コスト削減の状況を見ながら判断する」(藤原嘉人執行役員)と述べるにとどめた。