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くら寿司、AI監視システム全店舗で導入 迷惑行為検知

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くら寿司は2日、回転レーンに流れるすしへの不審な行為を人工知能(AI)で検知するシステムを全店舗で導入したと発表した。レーン上部のAIカメラが皿のカバーの不審な開閉を検知し、店舗の従業員が皿の除去や顧客への声かけを実施する。レーンから取った皿を元に戻すなどの迷惑行為を撮影した動画がSNS(交流サイト)上に相次いで投稿されたことを受けて導入に踏み切った。

くら寿司では皿にカバーをつけてレーンへ流している。レーン上部には2021年にカメラを設置済みで、客が取った皿の数を確認している。今回導入したシステムは一度取った皿をレーン上のカバーに戻すなどの不審な行為を検知できる。

異常を検知すると埼玉県と大阪府にある本部に警告を表示する。それぞれの本部では常時6〜7人体制で監視し、警告が出るとすぐ本部から店舗に連絡する。店舗名だけでなく皿番号や座席番号もわかるので、対象の皿除去や客への声かけなどを実施する。警察への通報も視野に入れる。

くら寿司は現在、全国で約530店舗を運営している。レーン上のカメラは既に全店舗で設置しているため、今回のシステム改修に伴う投資額は大きくないという。

くら寿司は迷惑行為対策として、卓上のしょうゆや茶などについては現在約100店舗で客が入れ替わるごとに交換している。同様の運用をする店舗を5月までに順次増やしていく。

くら寿司はレーン上のすしの品質を保つ目的でカバーを導入するなど、レーンでの商品提供に独自の工夫をしてきた。店舗運営の効率性やエンターテインメント要素という観点から「回転ずしはレーンに流してこそのビジネスモデル。レーン上で流すことにこだわっていきたい」(同社)という。

回転ずし業界では、客がレーンを流れるすしに唾液を塗ったり、しょうゆの入った容器のそそぎ口をなめたりする迷惑行為を撮影した動画がSNS上に相次ぎ投稿された。各社は対応を進めており、「スシロー」を運営するFOOD&LIFE COMPANIESはレーンでの提供をタッチパネルで注文した商品に一時的に限定。また、レーンと座席の間に透明なアクリル板の設置も進めている。

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※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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