ロートと三洋化成、資本業務提携 スキンケアや再生医療

ロート製薬と三洋化成工業は2日、資本業務提携すると発表した。それぞれ約2億円を出資し、互いの株式を市場で取得する。天然素材を使ったスキンケア製品の開発や再生医療の研究などで連携する。
ロートは化粧品やリップクリームなどのスキンケア製品を主力とし、「肌ラボ」などのブランドを持つ。三洋化成は化粧品原料を手掛け、天然由来の成分の研究を進めている。ロートは既存のスキンケア製品や新製品に三洋化成が開発する新素材を活用する。
再生医療でも協業する。ロートはヒトの脂肪由来の「間葉系幹細胞」を使った再生医療の研究に取り組む。三洋化成は独自の機能性たんぱく質「シルクエラスチン」について、壊疽(えそ)した皮膚を再生する治癒材として実用化を進める。両社の知見を掛け合わせ、再生医療の研究を加速し、細胞医薬品の効率的な生産などにも取り組む。
両社はそれぞれ研究所を京都府内に持ち、人材交流も進める。大阪市内で2日に開いた記者会見で、ロートの山田邦雄会長は「異質な知によるイノベーションが期待できる」と述べた。三洋化成の樋口章憲社長は「アグリ・ニュートリションなどにも協業分野を広げたい」と農業分野での連携にも意欲を示した。
ロートは7月、新たな機能性食品やスキンケア製品の開発に向け、機能性素材を手掛けるファーマフーズとの資本業務提携を強化すると発表した。ファーマフーズは3月に三洋化成と資本業務提携し、化粧品と医薬品の開発や販売での連携を強化している。今後は3社での連携も模索する。