京商、裏千家と連携・協力協定 茶道文化の振興後押し

京都商工会議所は1日、茶道「裏千家」の一般財団法人、今日庵(京都市)と茶道文化の振興や普及・啓発を目的とする連携・協力協定を結んだ。京商の会員企業を対象に茶道の体験を盛り込む研修やセミナーを実施するほか、京商が整備を進めている産業と文化の交流拠点の運営などにも共同で取り組む。
京商が文化関連団体と連携・協力協定を結ぶのは今回が初めて。協定書の調印式で京商の塚本能交会頭は「新型コロナウイルス禍と向き合うなか、茶道の精神に立ち返ることを不確実な時代を生き抜くきっかけにしてほしい」と会員企業に茶道体験の場を提供する狙いを強調した。
文化庁の京都移転に合わせて、京商が2023年春の完成を目指している産業と文化の交流拠点は明治・大正期の文人画家、富岡鉄斎の邸宅を保存・再生する。茶室や和室を備えた新たな交流拠点を活用し、塚本会頭は「多彩な文化で世界を魅了する京都ブランドの構築に向け、今日庵と事業を展開していきたい」と述べた。今日庵の千宗室理事長は「茶道は日本文化のポータルサイト。茶の湯の体験がほかの文化へと進み、社会の活性化につながっていけば」と期待を寄せた。