噴火の軽石特定、漂流ルート分析 堀場製作所と地球研

堀場製作所は1日、2021年8月に噴火した小笠原諸島の海底火山によって噴出した軽石を総合地球環境学研究所(地球研)と共同で分析すると発表した。全国から集められた軽石を分析し、小笠原の海底火山由来のものを特定。軽石の漂流パターンを解明して、類似の災害が発生した際の対策立案などにいかす。
地域の学芸員などの協力で全国の海岸に漂着した軽石を収集し、地球研に送って分析する。サンプルは沖縄や鹿児島、和歌山などから既に集まり始めているという。堀場製の蛍光X線分析装置を使って軽石の元素の種類や量などを測定。小笠原の噴火による軽石かどうかを判別し、漂着日時などのデータをもとに小笠原の軽石がどのように漂流したのかを地図にする。
8月の噴火では、海上を漂流した大量の軽石が沖縄県などに漂着し漁業や環境に影響を及ぼした。漂流ルートを明らかにすることで、海底火山の噴火による同様の被害を防ぐなどの対策を検討する。
分析は小惑星「りゅうぐう」の初期分析などに関わった子会社の堀場テクノサービス(京都市)が担う。分析装置に軽石を設置するための治具を同社が特別に開発し、形状が異なる複数の軽石を高い精度で分析できるようにした。共同分析は数年かけて実施し、成果を学会や論文などで発表する。
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