天王寺動物園、初の独法化 運営自由度高まる
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大阪市の直営だった天王寺動物園(同市天王寺区)が1日、地方独立行政法人に移行した。園によると、動物園では全国で初めて。人材の確保や予算の配分が従来より自由になる。飼育員らを増員し、動物にストレスを与えない「動物福祉」を推進する。
1日付で獣医師で札幌市の円山動物園で勤務経験がある向井猛氏が新園長に就任。新たに飼育員を10人、飼育環境の改善を担う「動物専門員」を2人採用し、各職員が担当する動物の数を減らし、きめ細かい観察や世話ができるようにする。運営費の一部は引き続き大阪市税から交付される。
向井氏は1日、職員の任命式であいさつし、その後の取材に「人にも動物にも優しい動物園にします」と話した。
地方独立行政法人は採用や報酬などの面で民間に近い運営ができる。従来の対象は大学や病院で、2013年の政令改正により動物園や水族館などにも適用できるようになった。
天王寺動物園を巡っては、大阪市の有識者懇談会の提言を受け、幹部会議で昨年1月、専門性の高い人材を育成したり、設備投資を進めたりするのに有利で、人気動物の確保に必要だとして独法化を決めた。〔共同〕