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遺族がトヨタと和解 高裁で労災認定の自殺社員

2010年にトヨタ自動車の男性社員(当時40)がうつ病を発症して自殺したのは上司のパワーハラスメントや過重労働が原因として、妻(50)らが同社に約1億2300万円の損害賠償を求めた訴訟は裁判外で和解が成立した。遺族側は31日、同社がパワハラと自殺の関連を認め、豊田章男社長が既に謝罪したと明らかにした。

和解成立は27日。遺族側は28日に名古屋地裁での訴訟を取り下げた。解決金の額は公表していない。

遺族側は31日、名古屋市での会見で豊田社長が昨年10月に謝罪し「事件発生以来11年もの間、放置されたのは社内の隠蔽体質によるものだ。会社の隠蔽体質を一掃する」と述べたと説明。男性の妻は「夫と同じように苦しむ人をなくすためには、会社で周囲に相談できる仕組みづくりが大切だ」と話した。

同社は「再発防止に向け徹底的に取り組む」とのコメントを出した。

合意書によると、同社はパワハラや過重業務が自殺の原因と認めた。法令を順守し、二度と同じ事態を起こさない努力をすると約束。5年間、再発防止策の取り組み状況を遺族に報告する、などとした。

合意に先立ち、同社は原因を調査する特別チームを編成し関係者を聴取。就業規則の違反者を処分した。

この訴訟とは別に、遺族側が労災を認めなかった豊田労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟では名古屋高裁判決が21年9月、パワハラや業務とうつ病の因果関係を認定。請求を棄却した一審名古屋地裁判決を取り消して労災を認めた。高裁判決が確定し、同社は21年10月、遺族側に和解を申し入れた。

厚生労働省は20年、精神障害による労災認定基準の項目にパワハラを加えており、高裁はこれに基づき判断した。

遺族側によると、1990年に入社した男性は2008年4月以降、新型プリウスの部品生産ライン立ち上げの主担当となり、09年5月からは並行して別の業務に従事。さらに中国関連業務にも関わるようになった。

男性は上司から同僚に聞こえるほどの大声で叱られるようになり、妻に「辞めたい」などと訴えた。09年10月ごろにうつ病を発症。10年1月、自殺した。〔共同〕

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