リニア談合控訴審、来春判決 弁護側「競争存在せず」
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リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)罪に問われ、一審で有罪となった大成建設と鹿島の元幹部2人と法人としての両社の控訴審初公判が1日、東京高裁で開かれた。弁護側は「工事の特殊性から、そもそも競争が存在しなかった」などと主張し、検察側は控訴棄却を求めた。公判は即日結審し、判決は2023年3月2日に言い渡される。
21年3月の一審・東京地裁判決は「国家的プロジェクトで受注調整し、建設業界への国民の信頼を著しく損なった」などとして元幹部2人にいずれも懲役1年6月、執行猶予3年、法人としての両社にそれぞれ罰金2億5000万円の有罪判決を言い渡していた。元幹部2人と両社が判決を不服として控訴していた。
一審判決によると、大成建設元常務執行役員の大川孝被告(71)と鹿島元専任部長の大沢一郎被告(65)は、ほか2社の担当者と共謀し、14~15年に品川駅と名古屋駅の工事で受注調整することで合意。受注予定業者を決め、見積価格に関する情報を連絡するなどして競争を制限した。