スポーツ庁、五輪など運営指針策定 理事会の規模適正化

スポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)などは30日、今後の大規模スポーツ大会の運営に関する指針を、組織委員会理事会の規模適正化やマーケティング業務の透明化など11の原則にまとめた。東京五輪・パラリンピックを巡る汚職、談合事件のような不祥事の再発防止を図る。
指針策定のためのプロジェクトチームの第3回会合を開き、了承された。札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪などを見据えたもので、2月に案を公表した後、スポーツ団体や経済界などからヒアリングを行っていた。
指針では、東京大会組織委の理事会が「適正に機能していたかは疑問の余地がある」と指摘。東京大会組織委の元理事らが逮捕された反省から、役員選定には独立した機関が関わるよう求め、利益相反取引の監視に関する内容も盛り込んだ。
スポーツ界の信頼回復を誓う決議文も採択した。指針の実効性を高める策として、日本スポーツ振興センター(JSC)は大会経費の助成に際し、指針の順守を条件とする方針を示した。
一連の事件では、大会運営に関する業務委託や、スポンサー契約に絡む利益相反が不正の温床となったとの観点から、民間企業などからの出向者の配置にも言及。出向元企業と密接な関連のある部署に配置する際には、特定企業の出向者のみに偏らないようにするなどのルール策定が重要と強調した。
ヒアリングを踏まえ、入札に関するガイドラインや、談合を誘発しないためのマニュアルなどを作成するよう推奨する文言も加えた。ハラスメント行為や金銭の横領、談合など、法令や規定に反する行為について、通報制度を整備するとともに、制度の活用を役職員に周知するなど内部チェック機能の強化も求めた。
事件の公判などを踏まえ、必要に応じて改定も検討する。〔共同〕