年の瀬アメ横、コロナ下で久々の活気 浅草に訪日客も

新型コロナウイルス下で3度目の年越しを目前にした30日、東京都内の商店街は正月準備の買い物客らでにぎわい、観光地には外国人の姿も目立った。感染者が多い状態だが、行動制限のない年末年始。各地で活気が戻る一方、食料を配布する支援活動には生活困窮者らが集まった。
「マグロ千円」「安いよ」。正月用の食材を買い求める人たちで身動きがとれないほどごった返した東京・上野のアメ横商店街には、呼び込みの大声が飛び交った。
友人とカニやかまぼこなどを買い込んだ東京都荒川区の会社員、高橋一聡さんは「年の瀬を感じたくて来た。楽しくぱーっとやりたい」とうれしそうだった。
浅草の浅草寺に続く仲見世通りには、着物姿の日本人だけでなく、外国人観光客も。米国から友人と来たケビン・トーレスさんは「ディズニーシーにも行った。初めて日本に来られて幸せだ」と笑顔を見せた。
雑貨店を営む男性店主によると、人通りはコロナ禍前ぐらいに戻ったが、外国人観光客はまだ少ないといい、「来年は1年を通して外国人が来てくれる良い年になれば」と願った。
銀座も多くの買い物客らが行き交い、埼玉県川口市のパート従業員の女性(47)は「思ったよりも人が多かった。感染も怖いので早めに帰ります」と話した。
東京都北区のJR赤羽駅近くの公園では、困窮者支援団体「反貧困ネットワーク」が食料配布や生活相談会を実施。コロナの影響で仕事が減り、先月警備会社をやめて野宿生活をしているという60代男性は、おにぎりを受け取ると「ありがたい」とほっとした様子だった。
団体の瀬戸大作事務局長は「所持金がほとんどないなど、深刻な相談が増えている。物価高の影響は大きい」と表情を曇らせた。〔共同〕