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衆院選、私はこうみた 有識者・若者に聞く

与野党と候補者が論戦を繰り広げた衆院選。打ち出された政策は新型コロナウイルス対策や働き方改革など多岐に及んだ。各分野の有識者や投票率の向上に取り組む若者に、今回の選挙の意味合いと今後の政治に求める取り組みを聞いた。

感染対策、実践問われる

新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていることもあり、衆院選では各党とも一般論に終始していた。岸田文雄首相は医療体制の充実や無料のPCR検査拡充など、コロナ対策で「4本柱」を訴えてきた。今後はどう実践するかが問われる。

基本的な感染対策に取り組みながらの生活に国民は順応してきており、いま経済をまわしていくのは当然だ。対策が不十分で感染が再拡大している英国のようにならないよう、政府は正しいメッセージを発信する必要がある。

ワクチン接種が思いのほか進み、次の「第6波」は軽症者や無症状者が増えるとみられる。確保しておくべきは中等症・重症患者向けの病床というより、大規模な宿泊療養施設だろう。無症状者が出歩き感染を広げるリスクを抑えるため、いつでもどこでも受けられる無料の行政検査も増やしたい。「波」の最小化には着実に対策を進め、拡大の兆候を察知する仕組みが不可欠だ。

働き方改革、まだ不十分

2019年の働き方改革関連法の施行で、残業に月100時間未満といった上限が設けられ、企業の評価軸は時間内で成果をあげる生産性へと変わった。選挙結果をみると、これらの取り組みが有権者から一定程度理解されたとは思うが、まだ不十分な点がある。

イノベーションが生まれる働き方にまでは飛び移れておらず、社会の創造性を高める議論を国会で急いでほしい。

必要なのは休息に対する考え方だ。欧州は帰宅後11時間経過しないと次の業務に着手できない「インターバル規制」をルール化している。十分な睡眠で疲れを回復した方が、生産性が高まることは科学的に証明されている。

日本は世界で最も睡眠不足の社会だが、企業はインターバル規制の導入に反発している。関連法では議論の末、努力義務で終わった。政治には財界の要望をくみ取るだけでなく、データに基づき、規制が業績に寄与することを説明する姿勢をみせてほしい。

政策の情報発信、工夫を

コロナ下で若者の政治への関心は高まった。ワクチン接種のあり方や行動制限、授業の休止など、身近な生活と政治が直結していることを実感した。デジタル化の遅れといった日本の課題も可視化され、なぜ改善できないのかと感じた若者も多いはずだ。

ただ、関心の高まりが投票率にどれほどつながったかは分からない。有権者は高齢者の方が若年層より多く、「投票しても変わらない」という意識は根強い。地元の三重県では投票所へのアクセスの悪い所もあり、オンライン投票に向けた制度設計の検討も必要だろう。

政治家も変えるべき点がある。SNS(交流サイト)で活動を報告する候補者は多かったが、政策を簡潔に解説する情報発信などは一段と工夫すべきだ。衆院選後も政治は、政策が我々の生活に及ぼす変化を分かりやすく伝えてほしい。

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