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共通テストで民間英語断念へ 有識者会議、記述式も

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文部科学省の大学入試に関する有識者会議が30日開かれ、2025年1月以降の大学入学共通テストでの記述式問題と英語民間試験の導入について「現時点での導入は困難」とする提言を取りまとめた。入試改革の「二大看板」だったが、採点の難しさや経済的格差などの問題を払拭する見通しが立たなかった。近く文科省に提言を提出し、同省が正式に断念を決める。

記述式は表現力や思考力、英語民間試験は「読む・聞く・書く・話す」の4技能を確かめる有効な手段として、共通テストの枠組みでの出題が検討されてきた。

22日の前回会合で示された提言案では、記述式は質の高い採点者の確保や採点ミスなどが懸念されると指摘。英語民間試験も受験料などで経済的な格差が生じる懸念が拭えないとして、いずれも「現時点では困難」と明記する方向で一致していた。

入試改革を巡っては、13年の政府の教育再生実行会議が「1点刻みからの脱却」を提言した。中央教育審議会は14年の提言で、その実現に向けた具体策として、記述式と英語民間試験の活用を掲げた。

文科省は実際の導入時期として、大学入試センター試験の後継として21年1月に予定された第1回共通テストでの実施を目指すことを確認。17年に実施方針を決めた。

ただ公平性の担保などの課題を払拭できず、本番の約1年前の19年11~12月に萩生田光一文科相が見送りを表明した。受験生らの間では混乱が広がった。

有識者会議では、新たな学習指導要領で学ぶ受験生が対象の25年1月以降の共通テストでの出題の可否などを改めて議論してきたものの、課題を解決できる見通しは最後まで立たなかった。

有識者会議として最後の会合となった30日の議論では、長期にわたって制度改革を検討しながら最終的に実現できなったことを巡り、ある委員が「高校生らを巻き込み不安に陥れた。反省が必要だ」と述べた。

英語民間試験の導入が困難になったことについては、別の委員から「残念ながら教育のグローバル化が諸外国にさらに後れを取った。これ以上の停滞は許されない」との意見もあった。

有識者会議は大学での学びやグローバル化に十分に対応するため、記述式や4技能を問う入試は重要との見方ではおおむね一致している。国に対して、作問や採点の負担軽減策を示すなど、各大学の個別入試での実施を促す推進策を求めている。

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