自殺といじめの関連認定 愛知・豊田、小6女児2人

愛知県豊田市で2019年3月、同じ市立小に通う6年の女子児童2人(いずれも12)が飛び降り自殺した問題で、市は29日、外部の弁護士らによる調査結果を公表した。校内で2人へのいじめがあったと認定したうえで、「自殺の直接の原因ではないものの、関連性は否定できない」とした。
市によると、市教育委員会が設置した第三者委員会が20年6月にいじめを認定した一方で、自殺との関連性を否定する報告をまとめていたが、遺族から「関係者への聞き取りが不十分」などと申し出があり、再調査していた。
再調査の報告書では、2人が他の児童から悪口を言われたり、友人との会話をやめるよう求められたりした複数の行為をいじめと認定。他の要因も含めて「生きづらさを感じ、自殺を選択するに至った」と推測した。
担任教諭や周囲の児童は自殺の計画を聞いていたが、2人の態度や、1人が「大丈夫」と話したことから深刻に受け止めていなかったと指摘。「誰にも止めてもらえず、死に駆り立てられた可能性は否定できない」とした。
遺族は「苦しい思いやつらい思いをしていたと分かった。再調査まで含めると3年という長い時間を要し、憤りを感じる」とのコメントを出し、市教委に対し、いじめに関わったとされる児童への指導を求めた。山本浩司教育長は記者会見で「命を守れなかったこと、申し訳ありません」と謝罪した。
2人は卒業式が迫っていた19年3月12日、下校後に自宅とは別のマンションの敷地内で倒れているのが見つかり、その後死亡が確認された。〔共同〕