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知床沖遭難、水深120メートルで船体発見 観光船と確認

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北海道・知床半島沖で観光船が遭難した事故で、海上保安庁は29日、水深約120メートルの海底で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」を発見したと発表した。海上自衛隊の水中カメラに船体が映り、船名の表記や船体の色が一致した。事故発生から30日で1週間。船内の確認や船体の引き揚げ作業が今後の焦点になる。

斉藤鉄夫国土交通相は29日夜の対策本部会議で「船内に乗客が取り残されていないか、確認を早急に進めてほしい」と指示した。海保の潜水士では水深60メートルまでしか潜ることができないため、機器などを用いた探査が可能か検討を急ぐ。

海保は業務上過失致死や業務上過失往来危険容疑で捜査する方針だ。事故原因の特定には船体の検証が欠かせない。船内調査を経て引き揚げる準備に着手し、解明を本格化させるとみられる。

発見場所はカズワンから最初に通報があったとみられる知床半島西側の「カシュニの滝」から沖合約1㌔の海底。水中音波探知機(ソナー)による海底調査で隆起があることが分かり、29日に海自の掃海艇による水中カメラの調査で判明した。

発見までに6日間を要した。船に異常が発生した詳細な地点が判明せず、海底の複雑な地形や厳しい天候が捜索の壁となった。海保関係者は「船体などの状況を十分に検討する必要がある。引き揚げには少なくとも1~2カ月かかる」とみる。

運航会社「知床遊覧船」を巡っては国交省が特別監査を実施している。気象条件など運航可否の基準を定めた規定通りに運航していたかどうかや、安全管理体制などを調べる。結果を受け行政指導などを検討する。

一方、第1管区海上保安本部によるとロシア国境警備局から28日、国後島の西の海域で救命胴衣を着用した漂流者を発見したとの連絡があった。ロシア警備艦が27日に発見したが、荒天のため引き揚げられず見失ったという。これとは別にロシア側はリュックサックを見つけ、中からこれまでに見つかった乗船者名義の銀行カードが確認された。

船は23日午前10時ごろ、斜里町ウトロの港を出た。午後1時15分ごろ、港から北東約27キロのカシュニの滝付近から「船首が浸水している」と1管に救助要請したとみられる。運航会社に午後2時ごろ「30度ほど傾いている」と連絡した後、音信が途絶えた。

事故ではこれまでに14人が死亡、12人が行方不明となった。28日に死亡が確認された3人は遭難現場とは知床半島を挟み反対側の羅臼町側の海域で発見された。海保などは残る不明者の捜索を急いでいる。

1管は29日、新たに4人の犠牲者の氏名も公表した。亡くなったのは、兵庫県小野市の竹川好信さんと竹川生子さん、岐阜県多治見市の瀬川由美さん、福岡県筑後市の伊藤嘉通さん。

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