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沖縄産木材で「伝統守る」 首里城復元で琉球大教授

木材の強度試験に使う機械を説明する琉球大のカストロ・ホワン教授=共同

2019年10月31日の火災で焼失した那覇市の首里城正殿の復元で、沖縄県産木材の活用を後押ししようと、琉球大工学部の教授が県産材の強度試験に取り組んでいる。火災から1年半。正殿の梁(はり)に使われるオキナワウラジロガシは十分な強度が確認でき、教授は「地元の木材で伝統を守りたい」と話している。

強度を調べているのは、アルゼンチン出身で建築構造が専門のカストロ・ホワン教授(61)。地震が多い地元の大学で耐震工学の講師を務めていたが、同様に地震が多発する日本で研究しようと1987年に来日。建設会社勤務などを経て8年前、琉球大に赴任し、沖縄へ移り住んだ。

火災の起きた日は、出張中のハワイで焼け落ちる城の映像を見て、悲しみが込み上げた。台風や地震に耐えてきた沖縄の古民家に興味があり、数年前から県産材の強度を研究。かねて首里城の補修の機会があれば携わりたいと思っていたことから「復元の役に立ちたい。僕の出番がきたぞ」と奮い立った。

炎上する首里城(2019年10月31日)

復元に向けた国の有識者会議は20年3月、国産ヒノキで建てる正殿に、沖縄在来種も使うと決定。その後、沖縄県産のオキナワウラジロガシを梁に、長崎県産のイヌマキを正殿正面の柱に用いる方針を示した。琉球王朝時代には2種とも地元産が使われたとされるが、1992年の前回復元では、沖縄県内で調達できなかった。

希少で商業用に流通していない県産材は、建築基準法の強度基準が示されていない。カストロ教授は「データがなく、使えなくなるのでは」と危機感を抱いた。

20年4月、沖縄本島北部からオキナワウラジロガシ3本を調達。琉球大の教職員らでつくる首里城再興学術ネットワークの出資を受けた。調査の結果、ヒノキの約1.3倍の強度があると分かり、国側も結果を重視している。その後、さらに高い値も出ており、追加試験を計画中だ。

カストロ教授は県産材が着目されるよう、梁の素材や、柱との接続部分が見えるように復元する構想を描く。「首里城は沖縄を代表する木造建築。県産材で造り直すことに意味がある」〔共同〕

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