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熱海土石流、盛り土関係先を家宅捜索 「人災」究明へ

(更新)

静岡県熱海市で7月に発生した大規模土石流で、県警は28日、起点となった土地の現旧所有者への強制捜査に乗り出した。業務上過失致死の疑いで、2011年まで土地を所有した神奈川県小田原市の不動産管理会社(清算)と同市内の元幹部宅などを、重過失致死の疑いで現所有者の自宅や、現所有者が設立した不動産会社をそれぞれ家宅捜索した。

犠牲者の遺族らは、起点での不適切な盛り土が被害を拡大させたと主張。静岡県警は押収資料に基づき、前代未聞の「人災」の原因究明を進めるとともに、立件の可否を慎重に検討する。

不動産管理会社には捜査員約20人が捜索に入り、起点での造成に関する図面や土砂を搬入した業者への支払明細書を押収。元幹部が以前経営していた小田原市の肥料販売会社には捜査員5人前後が、名古屋市千種区にある現所有者の自宅には数人が入った。

関係者によると、29日以降も捜索を続ける。

土石流は7月3日に熱海市伊豆山で発生した。これまでに26人が死亡し、依然1人の行方が分かっていない。

土石流で母親(77)を亡くし、「熱海市盛り土流出事故被害者の会」会長を務める瀬下雄史さん(53)=千葉県=は、8月に土地の現旧所有者2人を刑事告訴した。

瀬下さんは①起点の土地を売買した際に現旧所有者が交わした書面に「旧所有者は崩れた盛り土を硬化処理する」との記載がある②現所有者が「盛り土の崩落を防ぐ安全対策を実施する」と記した文書を県に提出――といった経緯に基づき、双方が盛り土崩落の危険を認識していたと訴えている。

土石流発生後の取材に不動産管理会社の元幹部は、問題となるような造成はしていないと説明。現所有者は代理人弁護士を通じて「盛り土があったことも知らなかった」と主張した。

立件に向けては、現旧所有者が盛り土崩落を予見できたとする証拠が不可欠となる。必要な措置を講じていれば崩落を防げたとの立証も必要となる。

瀬下さんは28日、県警の家宅捜索について「大きな一歩だ。われわれの想定より早い。心強い」と評価した。不動産管理会社の元幹部は「捜索には協力した。今後も捜査に協力していく」、現所有者の代理人弁護士は「捜索には全面的に協力した」とそれぞれ話した。

土石流を巡っては、被災者ら70人が現旧所有者らに計約32億円の損害賠償を求める民事裁判を起こしている。

県が公表した行政文書から、市が県土採取等規制条例に基づく措置命令の発令を検討したものの、最終的に見送っていたことが判明した。〔共同〕

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