「ルフィ」特殊詐欺幹部か 警視庁、広域強盗の関連捜査

各地で相次ぐ広域強盗事件に絡み、警察当局がフィリピン側に日本への移送を求めている日本人の男4人が、フィリピンで2019年に36人が拘束された特殊詐欺グループの幹部とみられることが28日、捜査関係者への取材で分かった。4人には強盗事件の指示役とされる「ルフィ」が含まれているとみられている。
広域強盗グループは高額の報酬を約束して実行役を集めていたとされ、4人の特殊詐欺グループの手法と一致する。警視庁などは首都マニラの入管施設で拘束されている4人が、違法な金集めの手口を詐欺から強盗に転用したとみて調べている。
広域強盗事件では、違法な行為をする「闇バイト」をインターネット上で募って実行役をさせたり、身分証を送らせるなどしてグループからの離脱を防いだりしていた。特殊詐欺でも同様の手法が取られることが多い。
捜査関係者によると、4人は渡辺優樹容疑者や今村磨人容疑者らで、警視庁が特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑などで逮捕状を取得している。
フィリピン入国管理局は19年11月、ホテルを拠点に日本の高齢者らに詐欺の電話をする「かけ子」とされる日本人の男36人をマニラで拘束。いずれも20年2月〜21年7月に日本に移送され、警視庁がキャッシュカードを盗んだとする窃盗容疑で逮捕した。
広域強盗事件では、警視庁が容疑者らのスマートフォンを解析した結果、ルフィのほか「キム」「ミツハシ」などを名乗る指示役の存在が分かっている。警察庁によると22年以降、関連が疑われる事件が窃盗などを含め14都府県で少なくとも計20件発生。一部の事件で実行役とみられる三十数人が逮捕されている。〔共同〕