「ルフィ」国内にも存在か 東京で接触「指示受けた」
各地で相次ぐ広域強盗事件のうち、昨年11月に山口県岩国市で起きた強盗未遂事件で起訴された男が、「ルフィ」を名乗る指示役について「東京都内で会い、指示を受けた」と証言していることが28日、関係者への取材で分かった。フィリピンの入管施設に拘束されている日本人の男4人の中にルフィがいるとみられていたが、被告の男が会ったのは4人が拘束された後の時期で、ルフィが日本国内にも存在していたことになる。

関係者によると、男はツイッターのダイレクトメッセージを通じて、特殊詐欺で被害者から現金を受け取る「受け子」の「闇バイト」に応募。紹介役から匿名性の高い通信アプリ「テレグラム」をスマートフォンにインストールするように言われた。
「桃太郎」などと名乗る人物らとのやりとりを通じ、テレグラムでルフィと東京都東村山市内の西武新宿線久米川駅で会うよう指示された。
ルフィとして現れた人物は30〜40代の中肉中背の男性で、その場で簡単な指示を受けたほか、資金も手渡された。言葉のアクセントから関西出身のようだったという。その後、ルフィの指示で岡山県内でレンタカーを借り、岩国市の事件で運転手役を担当。途中で共に事件を起こしたとされる男を車に乗せた。
ルフィからは、現場から逃走するまで全てテレグラムを通じて指示されたという。
日本人の男4人については警察当局が日本への移送を現地当局に求めている。いずれも特殊詐欺事件で警視庁が逮捕状を取得しており、強盗事件との関連を調べる方針。
岩国市の事件は昨年11月7日に発生した。男5人が住宅に侵入し、住人にカッターナイフを示して脅迫。金品を奪おうとしたが抵抗され、未遂に終わった。
5人は昨年11月に強盗未遂罪などで起訴され、うち3人は昨年10月に東京都稲城市で起きた強盗致傷事件で、警視庁にも逮捕された。〔共同〕
複数人で住宅を襲撃し金品を奪う強盗事件が全国で相次いでいる。指示役は「ルフィ」などと名乗り、実行役の多くはインターネット上の「闇バイト」に応募して集まったとされる。警視庁は特殊詐欺事件で、フィリピンの首都マニラの入管施設に拘束されている日本人の男4人の逮捕状を取得。警察当局が日本への移送を求めている。複数人がルフィを名乗っていた可能性がある。〔共同〕