新教員研修、定着テストも 免許更新制度廃止で
文部科学省は27日、教員免許に有効期限を設けていた教員免許更新制を7月に廃止した後、来年4月から始める新たな研修制度の指針案をまとめた。受講を拒否する教員には職務命令で研修を受けさせると明記。オンライン研修などでの習得内容を定着させるため、研修後のテスト実施やリポート提出も求める。指針案は27日の中央教育審議会部会で大筋了承された。
文科省は、大まかな指針は示すが、受講時間数などの詳細は各都道府県教育委員会などに制度設計を任せる。
指針案は、研修でのオンライン活用が広がっている現状を受け、形式的な動画視聴で終わらないように修了後のテストやリポートが必要と指摘した。
校長は教員が学ぶべき分野を助言する。再三の助言に従わなければ職務命令を出すことを求める。命令に違反すると懲戒処分の対象になる。
免許更新制は、期限前に長時間の講習を受ける義務があって教員に大きな負担だと批判されてきた。だが、文教族議員らから「廃止しただけでは指導力が低下する」との異論も上がり、文科省は新制度の骨格を検討していた。27日の中教審部会では委員から「教員は多忙で、研修を受けたくても余裕がない。働き方改革が必要だ」との意見が出た。〔共同〕