名称「拘禁刑」に支持集まる 懲役・禁錮一本化
法務省は27日、懲役刑と禁錮刑を一本化した新たな刑罰の創設にあたり、名称を議論する意見交換会を開いた。大学教授や犯罪被害者団体などが参加し、「拘禁刑」を支持する意見が多く出たという。
同省は今後、意見を参考に刑法などの改正に向けた作業を進める。
この日の意見交換会では「刑罰であることから、ある程度の峻厳(しゅんげん)さが必要」「長い名称は適切でなく、言いやすく聞き取りやすいものが好ましい」といった意見が出た。事前に提出された名称案には他に「刑務所収容刑」「拘置刑」「矯役(きょうえき)」などがあった。
刑務所などに収容して自由を奪う「自由刑」のうち、懲役刑は刑務作業を義務付け、禁錮刑は収容のみで作業を義務付けていない。
禁錮刑と懲役刑の一本化は、刑務作業に加えて再犯防止に向けた指導や教育プログラム、就業・修学指導を柔軟に導入できるようにし、特に若年受刑者の更生に役立てる狙いがある。
法制審議会(法相の諮問機関)は2020年10月に答申した要綱で、禁錮刑と懲役刑を一本化した「新自由刑」(仮称)について「拘置した上で、改善更生を図るため、必要な作業を行わせ、または必要な指導を行うことができる」と明記した。