明治神宮、無病息災・平穏願う 雑踏事故も警戒
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明治神宮(東京・渋谷)には1日未明にかけ、多くの参拝客が訪れた。新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限のない年末年始は3年ぶりで、小規模ながら出店も再開された。警察は雑踏事故を防ぐための警備に力を入れる。
明治神宮の境内には12月31日午後、焼きそばなどの出店が約10店並んだ。コロナ前の半分以下だが、広場のテーブルは家族連れらでにぎわい外国人観光客の姿も目立った。
家族で参拝に来た世田谷区の40代主婦はコロナの感染拡大以降、初めて訪問したという。2022年は娘の小学校受験を無事に終え「感謝を込めてお参りしてきた。23年は自粛が続く学校のイベントを存分に楽しめる平穏な年になれば」と願った。
日付が変わるころには多くの参拝客が警察官の誘導を受けながら列をなした。警察官は拡声器で「前の方に続いてゆっくりとお進みください」などと呼びかけた。新年の訪れを告げる初太鼓の音が鳴り響くと、歓声と拍手が起こった。
例年300万人以上が初詣に訪れていた明治神宮は、感染拡大を受け20年末の大みそかの終夜参拝を中止した。21年は夜通しの開門を再開したが、出店は見送っていた。
初詣では明治神宮や浅草寺(東京・台東)といった寺社に多くの人出が予想される。警視庁は韓国で158人が死亡した22年10月末の雑踏事故も踏まえつつ、事故を防ぐ対策に力を入れる。

混雑状況に応じて境内や周辺道路に機動隊を配置し、参拝客が狭い場所に密集しないよう整理や誘導を実施する方針だ。