銃器製造などのネット情報、3月から監視強化へ 警察庁
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警察庁は26日、インターネット上の違法・有害情報の通報受け付けやサイト管理者らへの削除依頼の対象に、3月から「爆発物・銃器の製造」「殺人、強盗」などを追加し、監視体制を強化する方針を明らかにした。SNS(交流サイト)の投稿を分析する人工知能(AI)の導入も検討する。
安倍晋三元首相銃撃事件で、山上徹也被告(42)がネット情報で銃を自作したと説明したほか、各地で相次ぐ強盗事件の容疑者らがSNSでやりとりする現状を重視した。民間団体「インターネット・ホットラインセンター」(IHC)に業務を委託しており、運用ガイドラインを改定する。

IHCは違法性の高い違法情報と、その他の有害情報に分けて対応しており、違法情報の対象は従来通り薬物取引や児童ポルノなどで、有害情報に、生命に危害が及ぶ恐れが高い犯罪に関連する7類型を追加する。7類型は銃器製造や殺人、強盗のほか「ストーカー行為」など。
露木康浩長官は26日の定例記者会見で「近年は必ずしも違法と言えないが有害な情報が流通し、治安上の脅威が深刻化している」と指摘。強盗事件を念頭に「実行犯を募集するような情報も対象になる」と述べた。
警察庁によると、「タタキ(強盗の隠語)」などの表現や3Dプリンターで銃を製作する際の図面を想定。「家出少女募集」といった投稿も、文脈などから人身売買につながる恐れが高いと判断されれば対象になるとみられる。ただ削除依頼に強制力はなく、管理者らに判断が委ねられ、海外の情報への対応も課題となっている。〔共同〕