中村警察庁長官の退任、閣議承認 後任に次長の露木氏

政府は26日の閣議で、警察庁の中村格長官が退任し、後任に同庁の露木康浩次長が昇格する人事を承認した。桜沢健一警備局長も交代し、前埼玉県警本部長の原和也氏が就くなどの幹部人事も決まった。露木氏の後任の次長には緒方禎己生活安全局長が就任する。いずれも発令は30日付。
谷公一国家公安委員長は26日の閣議後の記者会見で「新体制のもとで要人や行事の安全確保に万全を期するよう警察庁を指導していく」と述べた。
中村氏は25日の記者会見で、安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件を巡り警護警備の検証結果や見直し策がまとまったことを受けて「人心を一新する」として辞職を表明していた。

警察当局は体制を刷新し、9月27日に日本武道館で予定される安倍氏の国葬などの重要警備に臨むことになる。
安倍元首相銃撃事件の検証結果などの報告書では過去の警護計画を「安易かつ形式的に踏襲した」と指摘。奈良県警が策定した警護計画に加え現場指揮にも不備があり、適切な対応が取られていれば「結果を阻止できた可能性が高い」とした。
警察庁はこれを踏まえ、要人警護の基本事項を定めた「警護要則」を刷新した。計画の作成段階から国の関与を大幅に強める。
露木 康浩氏(つゆき・やすひろ=警察庁長官)86年(昭61年)京大法卒、警察庁へ。刑事局長などを経て21年次長。大阪府出身、59歳。
2022年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅近くの路上で発生した安倍晋三元首相銃撃事件。亡くなった安倍元首相の国葬が9月27日に日本武道館で行われました。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来、戦後2例目。最新ニュースや速報をまとめました。