リニア談合二審も有罪 鹿島と大成元幹部、東京高裁
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リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、独占禁止法違反(不当な取引制限)罪に問われた大成建設と鹿島の元幹部2人と、法人としての両社に対する控訴審判決で、東京高裁(石井俊和裁判長)は2日、いずれも有罪とした一審判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。
2021年3月の一審・東京地裁判決は大成建設元常務執行役員の大川孝被告(72)と鹿島元専任部長の大沢一郎被告(65)をいずれも懲役1年6月、執行猶予3年とし、法人としての大成建設と鹿島はそれぞれ罰金2億5千万円としていた。
控訴審で弁護側は、工事を発注したJR東海が施工能力などをもとに、事前に受注企業を決めていたと主張し、「競争が存在せず、独禁法違反にはあたらない」と主張していた。
この日の高裁判決はJR東海がコストダウンを追求していたことや、発注先の事前決定を否定した同社関係者の供述などを認定。「(同社が)企業間で競争させる意思を有していたとした一審判決に誤りはない」と弁護側の主張を退けた。
判決によると、大川元常務執行役員と大沢元専任部長は、ほかの2社の担当者と共謀し、14〜15年に品川駅と名古屋駅の工事で受注調整することで合意。受注予定業者を決め、見積価格に関する情報を連絡するなどし、競争を制限した。