/

保護犬猫、障害者癒やす 暮らしの場で広がる共生

障害のある人が地域で共同生活をしながら、飼育放棄や迷子などで保護された犬猫と一緒に過ごす共生の取り組みが注目を集めている。気持ちが穏やかになるなどの「アニマルセラピー」のほか、犬猫の殺処分を減らす効果が期待される。動物のいるカフェなどで働き、新たな雇用の受け皿となるケースも生まれている。

「おやつ食べる?」「人懐っこいね」。さいたま市の「わおん障がい者グループホーム浦和針ケ谷」に、にぎやかな声が響いた。一軒家を改築し今年2月にオープンしたホームでは、中軽度の知的障害と精神障害のある女性6人と保護猫「うに」が一緒に暮らす。飼い主が病気で世話ができなくなり、8月にやって来た8歳の猫だ。

入居者には個室があり、うには共用スペースで飼われ、棚の上に乗ったり、昼寝をしたりして気ままに過ごす。スタッフが中心となり、うにの世話をし、入居者は自由に触れ合うことができる。

入居する広橋美紀さん(54)は「かわいくて癒やされる。うにがいると、みんなの輪ができる」と笑顔を見せる。管理者の五十嵐美和さん(40)は「コロナ禍で入居者もストレスがたまりがちだったけれど、うにが来てから明るい雰囲気になった」。

知的障害者ら5人が生活する福島県二本松市のグループホーム「すばる」には犬が5匹おり、うち4匹は保護犬だ。家族や友達のように、夜眠れずにリビングに来た入居者にそっと寄り添うことも。「率先して犬の散歩をする人もいて互いに支え合っている」とサービス管理責任者の菊池幸美さん(57)は説明する。

国は障害者が暮らす場を、病院や入居施設から、少人数で共同生活を送るグループホームなど地域の中に移行を進める。一方、環境省によると、引き取り手が見つからず殺処分となった犬猫は2019年度に約3万2700匹に上る。

ペットと共生するグループホームは、癒やし効果だけでなく、障害者の居場所づくりや殺処分減という社会的問題への対応策としても注目される。

7月オープンした大分市の保護猫カフェ「かぎのしっぽSAKURAZAKAカフェ」では、10~60代の障害者35人が約20匹いる猫の世話や皿洗い、雑貨作りなどの仕事に携わる。猫の譲渡会も障害者たちが企画・運営し、これまでに6匹が新たな飼い主と出合った。

ソーシャルワーカーでもある運営会社「CFC」の首藤和彦社長(50)は「新たな雇用の場となり、仕事への意欲と責任感が障害者に生まれている。カフェや譲渡会を通じて地域の人たちと触れ合いも格段に増えた」と話す。〔共同〕

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン