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原発事故の賠償基準、「故郷喪失」など見直しの論点に

東京電力福島第1原子力発電所の事故を巡り、文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)は26日、3月に国の基準を上回る賠償が確定した集団訴訟の判決内容を専門家が分析した中間報告を公表した。事故によって故郷を失ったことに対する精神的苦痛などを賠償として検討すべきか論点を示した。

今後、さらに専門家らによる最終報告を踏まえて原賠審として基準の見直しの必要性を検討する。

最高裁は3月、原発事故の避難者らが起こした7件の集団訴訟で東電側の上告を棄却し、国の賠償基準「中間指針」を上回る賠償額を認める判決を確定させた。上乗せ額や賠償の考え方は判決ごとに異なっており、原賠審は専門家に各判決の分析を依頼した。

中間報告は▽避難生活の継続▽故郷や生活基盤の変容・喪失――の2点に伴う精神的苦痛は全ての判決が賠償の対象としたと指摘した。

避難生活に関する慰謝料は既に中間指針で考慮されているとする一方、帰還困難区域を除く地域の住民に対する故郷の変容による慰謝料については「実態を十分に把握できず議論の対象にならなかったため、指針では(考え方が)示されていない」とし、今後の論点に位置付けた。

また7件中3件の判決は、避難生活の継続に伴う慰謝料とは別に、事故当初に避難を余儀なくされた精神的苦痛を損害として認定したと分析。自主的避難による慰謝料も、賠償を認める期間や額が中間指針とは異なり判決ごとにばらつきがあるとして、それぞれ「さらに検討を深める必要がある」とした。

原賠審は法律や原子力の専門家などで構成され、原発事故などで発生した賠償の金額や対象の基準を示している。電力会社などがこれに基づいて被害者と賠償額について交渉している。

原賠審の内田貴会長は、専門家の最終報告の時期について「どれくらいかかるか分からないが、できるだけ早い時期にまとめてもらいたい」と説明。「(最終)報告を踏まえて必要な審議をした上で、結論を出したい」と話した。

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