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強制送還で裁判受ける権利侵害「違憲」 国に賠償命令

難民申請の棄却決定を告げられた翌日に強制送還となり、裁判を受ける権利を侵害されたとして、スリランカ出身の男性2人が起こした国家賠償請求訴訟の控訴審判決が22日、東京高裁であった。平田豊裁判長は、当時の東京入国管理局の対応は憲法違反だとして計60万円の支払いを命じた。

憲法32条は「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない」と定める。原告側の代理人弁護士によると、外国人の強制送還を巡って違憲と判断されたのは初という。

原告の男性2人は、在留期間を越えて日本にとどまっていた。難民不認定処分に対して異議を申し立てたが、2014年12月17日に棄却決定を告知され、翌18日早朝に強制送還となった。

原告側は「棄却決定から強制送還まで十数時間の猶予しか与えられなかった。不服を申し立てる裁判を起こすことはもちろん、その検討すらできなかった」と主張していた。

20年2月の一審・東京地裁判決は、棄却決定が出た場合、手続きを停止する事情がなくなり「出入国管理法の規定に従い、速やかに送還することが求められている」と指摘。「裁判を起こせる期間内は強制送還を差し控えるべきだ、との見解が定説であったと認める証拠もない」として原告側の請求を棄却した。

これに対し高裁の平田裁判長は、難民申請の結果について裁判で争うことができる点などを考慮し「同法の規定があることで、司法審査を受ける機会を実質的に奪う結果を許すことはできない」と述べた。

そのうえで、棄却決定の告知を強制送還の直前にした入管側の対応は「送還を円滑に実施するためだった」と認定。告知後に第三者との連絡も事実上認めずに送還したのは「憲法32条が保障する裁判を受ける権利を侵害している」と結論づけた。

出入国在留管理庁は「判決の内容を十分に精査し、適切に対応したい」とコメントしている。

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