博物館法改正案を閣議決定 民間も登録制度の対象に
政府は22日、自治体などが設置した施設に限られている博物館登録制度の対象に、民間施設も加える博物館法改正案を閣議決定した。登録対象の拡大で制度の活性化を図り、文化施設を軸にした観光の推進といった地域貢献の取り組みを促す。
現行は美術館や動物園、水族館も含む全国の博物館施設のうち、学芸員の配置といった要件を満たす自治体や財団法人などの施設のみが登録できる。改正案では、国や独立行政法人を除く全法人に広げる。文化庁は企業や私立大、社会福祉法人などを例示している。
同庁によると2018年度の調査では、全国の博物館施設約5700館の16%しか登録されていない。一部の税軽減にとどまるなど利点が少ないと指摘されており、対象拡大と併せて財政支援や税制優遇を拡充する。
都道府県教育委員会が行う登録審査では、資料の収集や展示、調査研究といった活動内容も考慮する。運営状況の定期報告を施設に義務付け、取り組みが不十分なら是正を勧告できる。
改正案には地域貢献の取り組みのほか、他施設との連携強化や資料のデジタル保存を促すことも盛り込んだ。23年4月1日施行で登録済み施設も新たに審査を受ける必要があるが、経過措置として5年間は登録博物館とみなされる。〔共同〕