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北海道の赤潮、漁獲種も変化 被害80億円「先見えない」

北海道の沿岸で異変が相次いでいる。植物プランクトン「カレニア・セリフォルミス」による大規模な赤潮が発生したほか、漁であがる魚種も変化している。ウニやサケが大量死するなど漁業被害は80億円に達した。予測ができない事態に漁業者からは「自然相手になすすべなく、先が見えない」と不安の声が上がる。

赤潮は9月20日に釧路市で最初に確認され、太平洋側の日高地方から根室地方まで拡大。道立総合研究機構は収束方向としているが、一帯ではウニやサケなど魚介類が大量死し、道は赤潮が原因とみて調べている。

育てて漁獲するまで4~5年かかるウニの9割が死んだとみられる釧路町昆布森漁業協同組合幹部は「稼ぎがなくなれば、船の購入費返済もままならない。行政支援なくしては立ち上がれない」と嘆く。

えりも町でもツブ貝が採れなくなり、例年11月初旬まで続く漁を10月中旬にやめざるを得なかった。えりも漁協の専務理事は「資源が枯渇すれば死活問題だ」と訴える。

判明している漁業被害は、ウニやサケなどを中心に総額80億円を超えた。事態を重く見た政府はウニの死骸除去など環境保全に取り組む漁業組織への補助や有害プランクトンのモニタリング費用などとして本年度補正予算に15億円を計上した。

道の担当者はモニタリングで赤潮発生を早期に察知できることから「ウニなど海中であまり動かない魚介類を放流する場所や時期を決める参考になる」と期待。ただ回遊する魚の被害を防ぐ手だては見当たらず、課題も残る。

これまで漁獲で主な対象とされてきたものから、ほかの魚介類が取れる「魚種交替」も進む。スルメイカやマグロに替わり、漁獲の40%をブリが占めるようになった南かやべ漁協(函館市)。専務理事は「海水温上昇で、マダイなど南の魚も頻繁に網に掛かる」と話す。

道総研によると、北海道の日本海側は水温が1900年ごろから100年間で0.7度上昇。気温変化と連動しており、今後も上がることが想定される。

北大大学院地球環境科学研究院の藤井賢彦准教授は「このまま水温が上昇すると、冷水に生息する魚介類はさらに減るだろう」と指摘。「地球温暖化を抑えるため二酸化炭素(CO2)削減の努力をしつつ、漁獲や養殖の場所を変えたり、なじみのない魚でも食べ方を工夫したりと変わる環境に適応していく必要がある」と話す。〔共同〕

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