わいせつ教員200人処分、免職91人 20年度文科省調査
わいせつ行為やセクハラを理由に2020年度に懲戒処分や訓告を受けた公立小中高校などの教員は200人で、うち児童生徒らが「性暴力・性犯罪」の被害者だったケースは96人に上ることが21日、文部科学省の人事行政状況調査で分かった。
過去2番目の多さだった19年度より処分者は73人減ったものの200人台は8年連続。文科省は「SNS(交流サイト)での私的やりとりの禁止など一層の対策を進めていく」としている。
文科省は、児童生徒らが被害者の場合は教育委員会に原則懲戒免職にすることを要請してきたが、懲戒免職となったのは96人のうち91人で、5人は停職にとどまった。
教員の性暴力を把握した際の刑事告発の徹底も求めており、初めて状況を調査。教委の告発は16件で、既に捜査機関が情報を把握していたケースや教委以外の告発が87件だった。犯罪に当たらないとして告発しなかったのは30件、被害者らが望まず告発しなかったのが39件、その他は28件。
文科省は「適正な告発がされておらず、周知徹底を図る」とした。
性暴力などに関する処分は免職113人、停職45人、減給17人、戒告3人で、訓告などは22人。全体の98%が男性だった。学校種別は幼稚園1人、小学校64人、中学校74人、高校53人、特別支援学校8人となった。
具体的な行為は「体を触る」68人、「性交」40人、「盗撮・のぞき」35人など。行為があった場面は勤務時間外が135人で最も多かったが、放課後と休み時間がそれぞれ18人、授業中も13人いた。
体罰で処分を受けた教員は157人減の393人。精神疾患で休職した職員は5180人で298人減ったが、4年連続の5千人台だった。〔共同〕