コロナ禍DV相談1.6倍 20年度過去最多、在宅など影響か
内閣府は24日までに、2020年度のドメスティックバイオレンス(DV)相談件数の速報値は19万30件で、過去最多となったと明らかにした。19年度の11万9276件から1.6倍に急増した。
新型コロナウイルス感染拡大に伴う在宅時間の増加や社会的ストレスが要因になったとみられる。政府は昨年の緊急事態宣言の発令に合わせ、相談体制を拡充していた。
3度目の緊急事態宣言が出されるなど、外出自粛の影響は長期化している。さらなる被害も懸念されており、内閣府の担当者は「受けている方がDVだと気付けない事例も多い。困ったことがあれば、遠慮せずにDV相談の全国共通短縮ダイヤル『#8008』に電話してほしい」と呼び掛けている。
配偶者や恋人から受けた暴行や暴言、金銭の要求などについて、全国の配偶者暴力相談支援センターと、20年4月から始めたインターネットや電話で24時間相談を受け付ける「DV相談プラス」に寄せられた件数を集計した。
支援センターへの相談だけを比べても、20年度は13万7333件と19年度から約1万8千件増加。14年度に初めて10万件を突破してからは、毎年度数百~数千件の増減にとどまっていただけに、コロナによる被害の大きさが浮き彫りとなった。
月別合計では21年3月が1万7320件と最も多く、20年6月の1万7248件、同5月の1万7063件と続いた。〔共同〕