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SMS認証代行、取り締まり強化 犯罪目的防止で警察庁

アプリなどの利用登録に必要な本人確認手続き「SMS認証」を巡り、有料で他人の認証を請け負う代行業の取り締まりを警察が強化する。警察庁がこのほど全国の都道府県警察に指示した。代行は振り込め詐欺に使われる通話アプリの認証などで悪用の幅が広い。犯罪インフラとして今後も広がりかねないとみて対策に乗り出す。

SMS認証は電子決済アプリや通話アプリ、メールサービスの利用登録などの際、スマートフォンの電話番号にショートメッセージサービス(SMS)で認証コードが送られ、受信者がそれを入力してアカウントを開設する仕組み。スマホの所有者とアプリの利用者が一致することを確認し、他人になりすました登録を防ぐのが本来の目的だ。

代行業者はこうした認証をすり抜けたい依頼者をネット上で募り、自分の電話番号を伝えて利用登録の手続きをさせる。確認用の暗証番号は業者のスマホに届くので、これも依頼者に伝え手続きを進めさせれば、依頼者は匿名でアカウントを利用できる。業者は1件1000円前後の対価を受け取る。

こうした依頼は、特殊詐欺の通話アプリやマネーロンダリング(資金洗浄)目的の電子決済アプリなどでの悪用目的のケースが多い。利用者本人と登録名義が違うため、その後の警察の捜査をかいくぐる狙いがある。

埼玉県警は昨年7月、代行で他人に通話アプリのアカウントを不正取得させたとして、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、栃木県の20代の男を逮捕した。このアプリは特殊詐欺に使われ、約300万円の被害が出たとみられている。

様々な犯罪のインフラとして機能する一方、摘発はまだごくわずかにとどまる。警察庁は今月1日、全国の都道府県警に対し、悪質な業者に対する取り締まりの強化を指示した。同庁の担当者は「ネット上には代行をうたい依頼者を募る投稿が横行する」と警戒を強めている。

代行業の広がりには、通信事業者と利用契約をする際に本人確認が要らない方式が定着したことも背景にある。

スマホなどで通話やネット接続するには通信契約を結び「SIMカード」を利用できるようにする必要がある。現在は通話もデータ通信もできる「音声通話SIM」と、通話はできないがネットやSMSが利用可能な「データSIM」の2種類がある。

音声通話SIMは契約の際に身分証明書の提出など本人確認が義務付けられる一方、データSIMにはそうした規制がない。格安スマホを扱うMVNO(仮想移動体通信事業者)などを通じて手軽に購入できる。

代行業者の多くはデータSIMを悪用しており、警察庁は1月、総務省と連携しMVNOの業界団体に対し契約時の本人確認を徹底するよう要請した。取り締まり強化と並び、事業者への働きかけで効果を高めていきたい考えだ。

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