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シェアリングエコノミーなど申告漏れ201億円 国税庁

(更新)

国税庁は25日、6月までの1年間(2020事務年度)に実施した所得税などの調査結果を発表した。全国の国税局は、モノや空間を共有し効率的に利用するシェアリングエコノミー(シェアエコ)について調査。シェアエコなど新分野の経済活動を行う個人に指摘した申告漏れの総額は201億円だった。

新型コロナウイルスの影響で、料理宅配サービス「ウーバーイーツ」やインターネットを通じて外部に業務委託する「クラウドソーシング」などの利用は拡大。東京国税局は「ウーバーイーツジャパン」(東京・港)に配達員の報酬額や銀行口座などの情報提供も求めており、国税当局は今後も重点的にシェアエコなどを巡る申告状況の調査を続けるとみられる。

国税庁によると、シェアエコなど新分野の経済活動を対象にした調査は1071件実施し、1件当たりの申告漏れ額は1872万円と19事務年度から5割増えた。1件当たりの追徴税額も494万円と4割増え、調査全体の平均の1.8倍だった。

調査件数を取引別にみると、暗号資産(仮想通貨)などが40%を占め、ネット通販(19%)、シェアリングビジネス(18%)と続いた。

関東信越国税局が調査した事例では、知識やスキルを売買できる「スキルマーケット」で、楽曲を販売した収入を適正に申告していなかったという音楽講師の男性に対して約2100万円の申告漏れを指摘。仮装隠蔽を図ったとして重加算税を含めた約400万円を追徴課税した。

男性は調査に対し「ネット取引は匿名性が高く、税務当局に把握されることはないと思った」と説明したという。

税法上、所得額が20万円を超える副業は確定申告が義務付けられているが、国税当局は意図的に申告を免れようとするだけでなく、申告自体を必要と認識していない人も多いとみて、業界団体や事業者と連携し適正な申告を呼び掛けている。

有価証券を所有し海外投資に積極的な「富裕層」の調査にも引き続き力点を置いた。富裕層の1件当たりの追徴税額は543万円で、とりわけ海外に投資したケースに対する追徴税額は879万円と高水準を維持している。

調査全体を見ると、コロナの影響で対面型の実地調査が2万3804件と19事務年度の約4割の水準にとどまった。一方、書類の提出を依頼するなど簡易形式の調査(47万8494件)は29%増え、件数全体は16%増の50万2298件だった。

高額な不正が見込まれる事案を優先調査したことで、実地調査1件当たりの申告漏れ額は19事務年度比33%増の1257万円、追徴税額は同35%増の224万円と、いずれも統計を取り始めた09事務年度以降で最高となった。

簡易形式も含めた調査全体の合計でみると、申告漏れ額は29%減の5577億円、追徴税額は35%減の732億円だった。

(藤田このり)

▼シェアリングエコノミー インターネット上のプラットフォームを通じ、車や宿泊部屋、オフィスを貸し借りしたり、中古品などを売買したりする経済活動。語学や料理といったスキルや知識を生かしたサービスにも取引は広がっている。
新型コロナウイルス下の巣ごもりや在宅勤務の普及で、料理宅配サービスやクラウドソーシングなどの需要が高まった。
情報通信総合研究所によると、市場規模は2030年度に最大14兆円超と20年度の7倍近くに膨らむ見通し。

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