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日本海溝・千島海溝地震で防災計画 108の強化地域指定

(更新)

政府の中央防災会議(会長・岸田文雄首相)は30日、東北から北海道沖にまたがる「日本海溝・千島海溝」巨大地震の防災対策推進基本計画をまとめ、最大約19万9000人が見込まれる死者数を10年で約8割減らす減災目標を掲げた。8道県272市町村を「対策推進地域」に指定。このうち特に甚大な津波被害の恐れがある108市町村を「特別強化地域」と位置づけ、国の財政支援を強化する。

人口減少や高齢化に伴い、財政難に苦しむ市町村が目立つ中、国や自治体が対策を加速させられるかが焦点となる。

岸田首相は同日の中央防災会議で「本日の決定事項に基づく防災・減災対策の充実強化を迅速かつ着実に推進してほしい」と述べた。

政府は2006年、日本海溝・千島海溝地震の基本計画を策定したが、東日本大震災で想定を大きく超える被害が出たことから21年12月に被害想定を修正。基本計画の見直し作業を進めてきた。

対策推進地域は06年の計画から155市町村増え、272市町村となった。このうち津波により30センチ以上の浸水が地震発生から40分以内に生じる恐れなどがある108市町村を特別強化地域に指定した。

対策推進地域に指定された自治体は、避難場所や避難路の整備、防災訓練などの推進計画を策定する。

特別強化地域には「津波避難対策緊急事業計画」の作成が求められており、津波避難タワーや防寒機能を備えた避難施設の整備費用の国庫負担が従来の2分の1から3分の2に拡充される。沿岸部の集落が高台に集団移転する場合、農地法の特例として農地を宅地などに転用しやすくなる。

基本計画には減災目標も新たに盛り込んだ。

今後10年で対策を進め、日本海溝地震で最大死者約19万9000人、千島海溝地震で最大約10万人とされる死者数を約8割減少させる。津波避難訓練を毎年実施する市町村の割合100%、津波避難ビルなどを指定する市町村の割合100%など被害を軽減するための数値目標も掲げた。

東日本大震災で大規模な前震の後に本震があったことを踏まえ、後発地震への注意を促す情報発信に取り組む。両海溝沿いでマグニチュード(M)7以上の地震が発生した際に、1週間程度は後発地震が発生する可能性があるとして、国が注意情報を発信し、避難経路の確認や避難用具の準備などの備えを呼びかける。(酒井愛美)

▼日本海溝・千島海溝地震

東北沖から北海道・日高沖に続く日本海溝と、十勝沖から千島列島沖にかけての千島海溝周辺で発生する地震。歴史上、M7~8級の地震が頻発している。2011年の東日本大震災を受け、政府は最大クラスの地震を想定して対策の見直しに着手した。21年12月にはM9級の巨大地震により、最大30メートル近い津波が到達し、死者数は最大19万9千人に上るとの被害想定を公表した。ほとんどは津波で犠牲となるため、迅速な避難により8割減らせるとした。〔共同〕

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