オービック会長夫妻が医療者用で接種 千葉の病院で
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システム関連会社「オービック」(本店・東京)の野田順弘会長(82)と妻のみづき相談役(86)が、千葉県鴨川市の亀田総合病院で医療従事者用のワクチンを接種していたことが20日、同病院への取材で分かった。
病院は同日、「長年地域の看護教育を支えてもらった。夫妻の存在なくして、地域医療を守ることはできないと考えている」とする文書を公表。夫妻が関連法人の役員を務めていることなどを挙げ、病院側から接種を打診したと説明した。
病院によると、夫妻が接種を受けたのは1回目が4月20日、2回目が5月12日。病院で希望する職員への接種のめどが立った段階で、接種を提案した。ワクチンは職員の接種で余った分を使ったといい、「受けるべき人の分を用いて敢行したわけではない。少しでもワクチンを無駄にしたくないという思いから、安全性を十分に確認して実施した」としている。
野田会長の居住地となっている東京都大田区によると、同区の高齢者向けのワクチン接種は、今月21日から予約を受け付け、25日にスタートする予定。夫妻は1カ月以上早く受けたことになる。
オービックは20日、「皆さまに多大な心配、ご迷惑をかけ深くおわびします。軽率な行動を真摯に反省しています」とする夫妻のコメントをホームページ上に掲載した。
千葉県の熊谷俊人知事は20日の記者会見で、夫妻の接種に関し「さまざまな状況の中で医療機関が判断したのだと思う」との見解を示した。〔共同〕