東北新幹線の脱線車両、撤去に2週間 JR東日本が見通し
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JR東日本は20日、宮城、福島両県で震度6強を観測した地震で脱線した東北新幹線の車両撤去作業を始めた。17両中16両が脱線しており、全車両の撤去に少なくとも2週間程度かかるとの見通しを示した。
運転再開には線路などの補修も必要となり、被害の全容は21日にも判明するとしている。全面開通は4月以降になるが、復旧が完了した区間から段階的に再開する方針。
JR東は午前10時ごろ、宮城県白石市の白石蔵王駅から福島駅方向に約2キロの現場で、東京発仙台行きやまびこ223号の先頭車両に当たる17号車をジャッキで持ち上げ、線路の上に戻す作業に着手した。午後6時に完了した。
JR東によると、他の車両は21日以降に作業する。一部車両は線路への引き上げにクレーンが必要になる見込み。
車両は宮城県利府町の新幹線総合車両センターに運ぶ。線路に戻した車両から連結を切り離し、けん引車で運ぶ方向で検討している。全車両を引き上げてから自走させるなどの方法も考えられ、今後判断する。
既に高架橋や駅ホームの土台といった土木構造物の損傷が計20カ所、レールのゆがみ10カ所、電柱の損傷24本、架線の切断2カ所などが見つかっており、被害箇所はさらに増えるとみられる。
特に福島―仙台間で被害が大きく、那須塩原―福島、仙台―盛岡間の被害は比較的小さいもようだ。
20日は、ヘルメットをかぶった作業員ら100人以上が17号車付近に集まり作業に当たった。〔共同〕