22年自殺者2万1584人 2年ぶり増、コロナ禍で高止まり
2022年の自殺者数が2万1584人となったことが20日、警察庁の自殺統計(速報値)に基づく厚生労働省のまとめで分かった。21年の確定値と比べ577人増え、2年ぶりの増加。新型コロナウイルスの国内流行前は10年連続で減り19年に約2万人となったが、コロナ禍で千人ほど増えたまま高止まりの状況が続いている。
厚労省担当者は「40~60代の男性のほか、失業者や年金生活者らで増加が目立つ。著名人の自殺の影響もあったのではないか」と分析している。
男女別では、男性が前年比604人増の1万4543人で13年ぶりの増加。女性は同27人減の7041人だが、コロナ禍前よりは千人近く多い。毎年3月発表の確定値は速報値から増える傾向にあり、女性も前年を上回る可能性がある。
職業別は11月までの暫定値として公表。失業者の自殺は1038人に上り、前年同期の581人に比べ約1.8倍に増加。年金や雇用保険で生活している人は5347人で、705人増えた。原因・動機別(暫定値)は健康問題が1万1125人と最多で、次いで家庭問題が4214人。
コロナ禍で増加が目立つ小中高生の自殺者数(同)は前年同期比3人減の441人となり、内訳は小学生15人、中学生118人、高校生308人だった。
人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は前年から0.5人増え17.2人。男性は23.8人(1.0人増)、女性は10.9人(0.1人減)だった。都道府県別で最も高かったのは山梨(24.3人)で、秋田(23.7人)、宮崎(22.7人)が続いた。低かったのは徳島(12.5人)、神奈川(13.9人)、長崎(14.3人)。
〔共同〕
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