無登録でFX取引の出資募る 監視委が業務禁止申し立て
証券取引等監視委員会は17日、無登録で投資助言・代理業を行ったとして、シンガポールに本社があるSKY PREMIUM INTERNATIONALと日本での営業活動を統括していた同社の最高営業責任者に対し、金融商品取引法に基づく業務の禁止と停止を命じるよう東京地裁に申し立てた。
SKY社は監視委に対し、2011年3月ごろから投資助言業を続け、日本全国の一般投資家約2万2000人から約1200億円を集めたと説明。うち500億円は投資家に返還したが、現在の預かり資産の残高は分からないとしているという。監視委が無登録業者に業務禁止命令を申し立てた事案のなかで集金額は過去最大。
監視委によると、同社は約500人のエージェントに日本国内での営業活動を委託し、全国で投資セミナーを開催。ベリーズ籍の業者が外国為替証拠金(FX)取引を行うとする海外投資商品を勧誘していた。
監視委の調査では、顧客の投資資金は同社の説明と異なる複数の海外法人名義の口座に送金されており、FX取引を行っていた形跡も確認できていないという。これまでに被害の報告はないが、監視委は「現在も無登録で説明と違う内容の投資勧誘を進めている。緊急性が高いと判断し、裁判所に申し立てることにした」と説明している。