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「受胎前ケア」役立てて 自治体、人生設計を後押し

(更新)

妊娠計画の有無にかかわらず、女性やカップルが自身の体や健康と向き合い将来設計に役立てる「プレコンセプション(受胎前)ケア」が広がりつつある。提唱する医療機関が増える中、福岡市は7月、政令市では初めて卵巣の状態の把握につながる血液検査への助成を始めた。若い世代の受診を促し、早期の疾患発見や将来の妊娠を考えるきっかけになればと期待されている。

プレコンセプションケアを呼びかける福岡市のチラシ(左)と検査を受けられるクーポンの見本=共同

「決して子どもを産まなければいけないというものではない。自分の人生を自分でデザインする考え方だ」。高島宗一郎・福岡市長は6月、プレコンセプションケアの意義をこう強調した。

市は本年度30歳を迎える市内の女性を対象に、卵巣内の卵子の数を推測するための「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」検査を500円で受けられるクーポンを配布。健康保険の適用外で本来6千~1万円かかるのに対し、「ワンコイン」の気軽さをうたう。今後、学校でもケアを学ぶ取り組みを始めたい考えだ。

「コンセプション」は英語で「受胎」の意味。男女を問わず、妊娠前の健康管理によって質の高い生活を図り、将来的に妊娠・出産の可能性を高めることにもつなげるとする考え方だ。

米疾病対策センター(CDC)や世界保健機関(WHO)が推奨し、日本でも提唱する医師は増えている。厚生労働省は今年、制度設計に向け有識者の意見を聞いた。

自治体としては2019年、茨城県笠間市が全国に先駆けてプレコンセプションケアへの助成を始めた。市内在住の女性を対象に、感染症の有無や栄養状態を調べる血液検査や医療相談などを、通常の4分の1以下となる5千円で受けられる。

市の担当者は「妊娠に気づく頃には、既に胎児の体の基礎が出来上がっている。妊娠前からの健康ケアが大事」と話す。

プレコンセプションケアの必要性を訴える「古賀文敏ウイメンズクリニック」の古賀文敏院長(7月、福岡市)=共同

福岡市で検査を手掛ける「古賀文敏ウイメンズクリニック」の古賀文敏院長は、「男女ともに生殖に関する知識が不足している。妊娠には適齢期があることなど、社会全体が女性の体の特徴を理解することが大切」と指摘。「もっと早く検査を受けていれば」と悔やむ不妊治療患者も見てきたという。

国立成育医療研究センター(東京)は15年に「プレコンセプションケアセンター」を開設。これまでに約200人が受診した。荒田尚子診療部長は「生理不順を医師に相談せず我慢してしまう女性も多い。自らの体を知ることは、ライフプランを考える上で欠かせない」と話している。〔共同〕

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