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アスリート、盗撮から守れ JOCなど警察と連携

アスリートへの性的な意図を持った撮影や画像拡散の問題で、日本オリンピック委員会(JOC)などスポーツ7団体が被害撲滅に取り組む共同声明を発表してから1年が過ぎた。警察と連携して監視の目が強化され、全国で逮捕者も相次ぐ。問題の認知度が向上して抑止効果も出てきた一方、いたちごっこの面もあり課題は山積している。

「連携の輪が広がり、すごくいい形で展開した」。JOCの籾井圭子常務理事はこの1年間の成果を強調した。名の知れたトップ選手が被害を告白したことも後押しとなり、JOCが設置した特設サイトに寄せられた情報提供は10月15日時点で2500件超。東京五輪・パラリンピック前後で倍増した。画像が削除されることも増えた。

対策も進んでおり、日本陸上競技連盟は6月の日本選手権(大阪市)で不審な撮影行為を通報するためのホットラインを設置。スポーツ用品大手のデサントはこのほど、盗撮や画像悪用から「守る」をコンセプトに赤外線透過撮影防止素材を使った駅伝用ユニホームの提供を発表した。JOCは今後、各競技での取り組みを共有したい考えだ。

警察幹部らによると、問題は20年以上前から指摘されてきた。当初は体や下着を盗撮する手口だったが、デジタル技術が普及した近年は画像を性的に加工し、SNS(交流サイト)で拡散させる例が多発している。

JOCと警視庁はこれまで、担当者と捜査員が定期的に情報交換を重ねてきた。5月、警視庁はテレビ番組の女性選手の競技画像をアダルトサイトに無断転載したとして、著作権法違反容疑でサイト運営者の逮捕に踏み切った。JOCの情報を基に立件した全国初のケースだった。

警視庁の捜査関係者は「今後も事件化していく。長く取り組まねばならない課題だ」と強調する。警察庁幹部も「卑劣な行為であり、都道府県警で捜査上の工夫や関連団体との連携を図っている。摘発事例の全国共有も検討している」と述べ、取り締まりに当たる姿勢を示した。

摘発強化にはハードルもある。画像の性的加工は被害者の告訴による名誉毀損罪に問うことも考えられるが、選手には一定の負担が想定され、手続きで競技や練習に集中できなくなる可能性もある。

5月のケースでは画像を無断で使用されたテレビ局を被害者とすることで摘発につなげた。6月に千葉県警は女性選手の下着が透けて見える動画を販売し、名誉を傷つけたとして名誉毀損容疑で会社員を逮捕した。

ただ広大なインターネット空間を全て取り締まることは困難だ。JOCの籾井常務理事は「探せばまだ(被害は)いくらでも出てくる」と指摘。予防と取り締まりの両輪が必要との認識を示し「自分たちができることはしっかりやる。その上で力を借りないとできない部分は、きちんと連携していく」と話した。〔共同〕

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