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雑居ビルの防火なお課題 火災のたび法律・制度を改正

国内ではホテルや雑居ビルなどでの大規模火災のたび法律や制度が改正され、施設の防火安全対策が厳格化されてきた経緯がある。

多数の人が出入りする建物では現在、消防計画を作成し管理する責任を負う「防火管理者」の配置が消防法で原則義務付けられている。きっかけとなったのが、1958年に公演中の舞台から出火し俳優ら3人が死亡した東京宝塚劇場(東京・千代田)の火災だ。

72年には大阪・ミナミの繁華街で、国内のビル火災史上最悪の118人の犠牲者を出した千日デパートビル火災が発生した。政府は同年に消防法施行令を改正。防火管理者を置く必要がある施設が拡大されたほか、スプリンクラーや自動火災報知設備の基準も強化された。

80年に45人が死亡した栃木県・川治プリンスホテル火災は、防火基準に適合した宿泊施設やホテルに掲示できる全国統一の「適マーク」が創設されるきっかけとなった。

その後も82年に東京都千代田区のホテルニュージャパン火災(死者33人)、87年に東村山市の特別養護老人ホーム火災(死者17人)と多数の死者が出る火災が続いた。老人ホームの火災後は消防法施行令が改正され、社会福祉施設でのスプリンクラー設置基準などが強化された。

昭和期はホテルや百貨店での大規模火災が目立ったのに対し、平成に入るとバブル期にかけて建設された雑居ビルなどの防火対策が課題となる。

44人が犠牲となった2001年の歌舞伎町ビル火災では、避難階段に段ボールやロッカーなどが放置されており、逃げ遅れた多数の人が犠牲になった。階によって管理者が異なるなど、複数の店舗や事務所が入居する雑居ビルの対策の難しさが浮かんだ。

翌02年の消防法改正では、実態把握のため消防による立ち入り検査の権限が強化され、雑居ビルでの自動火災報知設備の設置も義務化された。

13年には福岡市の診療所で入院患者ら10人が犠牲となる火災が起きた。建物内にはスプリンクラーが設置されていなかった。

火災を受けた14年の消防法施行令改正で、有床の診療所や病院は面積に関係なくスプリンクラーなどの設置が義務付けられた。防火基準に違反する建物や施設を消防が公表する制度も導入された。

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