勾留死亡男性の父、映像開示を要求 愛知県警回答せず
愛知県警岡崎署の留置場で男性(43)が勾留中に死亡した事件で、男性の父親(71)が17日、県警幹部と面会した。父親は、男性が収容されていた保護室の中を写したカメラの映像を開示するよう求めたが、幹部は「調査中だ」と述べるにとどめた。面会後に取材に応じた父親は「組織を守るために説明に来たように思う。不信感ばかりだ」と話した。
監察官室や留置管理課の幹部らと約1時間、岡崎署とは別の警察署で面会した。幹部は「申し訳なかった」とした上で、捜査・調査の進捗状況を説明。「誠心誠意やる」などと伝えたという。署員らが男性を蹴ったとされる疑いについては「足が当たったのか蹴ったのか、これから調べていく」と述べたという。
県警などによると、男性は11月25日に公務執行妨害容疑で逮捕され、勾留中の12月4日に死亡した。司法解剖の結果、死因は腎不全だった。
県警関係者によると、署員らは①男性を蹴る②身体を拘束する「戒具」を連続100時間以上使用③持病の薬を与えなかった④食事をしない男性に医療措置を講じなかった⑤男性が便器に後頭部を突っ込んだ状態で水を流した――などの問題行為を繰り返した疑いがあり、県警は16日、岡崎署を特別公務員暴行陵虐容疑で家宅捜索した。押収資料に基づき、立件の可否を検討する。〔共同〕