「五山送り火」今年はくっきり 京都、3年ぶり通常に
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お盆に迎えた先祖の霊を送り出す京都の伝統行事「五山送り火」が16日、京都市街を囲む山々で行われた。2020年と21年は新型コロナウイルス対策で見物客の密集を避けるため、「大文字」など6つある文字や形1つ当たりの点火箇所を削減したが、今年は3年ぶりに通常通りの実施となった。
送り火は、願い事を書いた護摩木や松を燃やし「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の文字や形を浮かび上がらせる。
直前まで激しい雨に見舞われた影響で当初の予定から約10分遅れた午後8時10分ごろ、東山の如意ケ嶽で一画が最長約160メートルの「大」の字に点火。ほかの文字や形も相次いで浮かび上がった。
鴨川沿いには多くの家族連れらが集まった。橋の上で見守った京都市北区の女性(72)は「雨を心配していたが、はっきりとした『大』の字を見ることができてよかった。胸に迫るものがあります」と話した。
20年と21年はそれぞれ点火箇所を1~6カ所に絞り、形がはっきり分からないようにしていた。厳かな雰囲気を抑え、見物客を減らす狙いだった。〔共同〕
