/

草野心平の直筆書簡発見 詩人仲間宛て35通、北海道

草野心平が詩人仲間に宛てた直筆の書簡=共同

カエルの視点で独特の世界を描いた作品で知られる福島県いわき市出身の詩人、草野心平(1903~88年)が戦後、詩人仲間に宛てた直筆の書簡35通が18日までに、札幌市の北海道立文学館で見つかった。専門家は「草野の戦後間もない頃の書簡がまとまって見つかるのは珍しく、当時の心境が垣間見えて貴重だ」と話している。

詩人の草野心平=共同

同文学館を運営する公益財団法人北海道文学館の平原一良理事長によると、2003年に詩人、長光太の遺族から寄贈された数千点の資料を調べたところ、1947~79年に札幌市の長の自宅などに宛てたはがきや封書が見つかった。

47年12月の手紙は原稿用紙に毛筆で「(陶)淵明、ボードレール、ランボウ、さういふ連中が次次にたちはだかってせまってきます。詩の断念を何回考へたことでせう」とつづられていた。海外の著名な詩人と自らを比べ、詩の才能に対する自信のなさを打ち明けるような記述があった。

一方、詩を音楽になぞらえ「現代のシムフォニーを私はここで歌ひたいと思ひます。焼き鳥屋時代とちがふのは敗戦後であるといふこと」とも記し、終戦後の詩作に意欲を見せる内容もあった。

草野は戦前、詩作だけでは生活できず、東京で一時、焼き鳥屋を営んだこともあった。その後、中国で(日本が承認していた)南京政府の宣伝部員として働くも敗戦後の46年に帰国。暮らし向きは再び厳しくなったとされ、48年3月の手紙には「生活に追われて頭もからだもきりきりまひ」と書いていた。

平原理事長は「草野は長を信頼できる詩人として、自らの思いや近況を伝えていたのではないか」と話した。北海道立文学館は今後、書簡の公開を検討するという。〔共同〕

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン