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利益相反の同僚弁護士、裁判から「排除」できず 最高裁

利益相反を抱える弁護士と同じ事務所だった相手方弁護士を、裁判から強制的に外すことは可能か――。こうした点が争われた許可抗告審で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は16日までに、「具体的に禁止する法律は見当たらない」として、排除の申し立て自体ができないと判断した。

対象となったのは、エイズウイルス(HIV)の治療薬をめぐり特許権侵害があったとして、塩野義製薬などが米医薬大手、ギリアド・サイエンシズの日本法人に損害賠償を求めた裁判。塩野義で提訴準備に関わった社内弁護士が、別の法律事務所に移籍し、その事務所で同僚だった弁護士がギリアドの代理人を務めることの是非が問題になった。

塩野義側は「事務所内に利益相反を抱える弁護士がいた場合、対象事件を担当できない」とする日本弁護士連合会の規定に違反すると主張。社内弁護士の移籍先事務所がギリアドの代理人を務めるのは不当だとして地裁に申し立てた。

一審の東京地裁決定は「塩野義の社内弁護士だった人物について、移籍先事務所は対象の裁判での情報共有を防ぐ措置を講じていた。漏洩などの形跡もうかがえない」として、規定が適用されない例外事由にあたると判断。一方、二審の知財高裁決定は「情報交換の遮断には一定の限界がある」などの理由で塩野義側の主張を認めた。

第2小法廷は、利益相反を抱える弁護士本人については弁護士法に基づき裁判から排除するよう申し立てられるが、同僚弁護士については「(裁判への関与を)具体的に禁止する規定はない」と指摘した。知財高裁決定を破棄し、排除は認められないと判断した。

決定は14日付。裁判官4人全員一致の意見。裁判長を務めた草野裁判官(弁護士出身)は問題となったケースについて「いかなる条件で関与が禁止、容認されるのかを具体的な規則で規律することは日弁連に託された喫緊の課題の一つだ」とする補足意見をつけ、分かりやすいルールづくりを促した。

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