文化庁「故意に汚損」 東大寺大仏殿に液体か

奈良市の東大寺大仏殿(国宝)の南側で液体のようなものをかけられた跡が2カ所見つかった問題で、文化庁は15日、職員2人を現地に派遣して状況を確認した。西山和宏主任文化財調査官は取材に、2カ所は「故意に汚損された」との判断を示した上で「(築)300年を超える建物の価値を減じることをされ、非常に遺憾」と話した。
西山氏らは、跡をライトで照らしたり、においをかいだりした。寺職員らへの聞き取りも実施した。東大寺によると、甘いコーヒー飲料のようなにおいがしたという。文化庁は今後、専門家らと協力して成分の分析などを進める。
奈良署によると、建物が地面と接する部分にある「地覆」と呼ばれる横木に液体のようなものをかけられ黒ずんだ跡があるのを寺職員が見つけ、14日午後6時5分ごろ署に届けた。範囲はいずれも縦約60センチ、横約70~80センチ。署は文化財保護法違反の疑いで調べている。〔共同〕