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五輪、感染対策違反で資格剥奪や制裁金 規則集更新

(更新)
東京五輪・パラリンピックの感染対策規則集「プレーブック」第3版

東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は15日、来日する選手やチーム役員らに適用する新型コロナウイルス感染対策の規則集「プレーブック」の第3版を公表した。違反行為に対しては、大会参加資格の剝奪や制裁金などのペナルティーを科すと記載。国外退去の可能性もあるとするなど、厳しい制裁を設け、ルールに実効性を持たせる。メダル剥奪については明記しなかった。

国際オリンピック委員会(IOC)や国際パラリンピック委員会(IPC)と共同でまとめた。7月1日以降の入国者から適用する。競技団体やメディアなど他の関係者向けのプレーブックもそれぞれ更新し、16~22日に公表する。プレーブックは今後も改定する可能性がある。

行動管理にGPSも

大会には、海外から選手約1万5千人のほか、現時点で関係者約7万8000人の来日が見込まれている。

選手は滞在中、原則として宿泊先と練習会場、試合会場に行動範囲を限定する。関係者も含め、入国後は、事前に組織委へ提出する活動計画書に沿って行動する必要がある。無申告で計画書と異なる行動が判明するなどした場合、処分を受ける可能性がある。

組織委は行動管理に実効性を持たせるため、参加国・地域や団体ごとに「コロナ対策責任者(CLO)」を配置するほか、スマートフォンの全地球測位システム(GPS)機能も活用する。常時監視はせず、例えば外部からの通報などで入国後の行動に疑義が生じた場合、GPSの履歴を確認して違反があったかどうかを見極める。

今春のテスト大会では海外選手に外出などのルール違反は出なかったが、参加国・地域によって感染の深刻度や規模は異なる。行動管理に選手や大会関係者の理解を得る必要がある。

メダル剥奪は明言せず

プレーブック第3版では、ルール違反時に科す可能性があるペナルティーの種類を初めて明記した。適用対象は、選手だけでなく、全ての関係者に及ぶ。

具体的な違反行為としては、マスクの不着用や新型コロナの検査忌避、活動計画書に従わずに外出したケースなどを想定している。

これらの違反があった場合、内容に応じて警告や参加資格の剝奪、制裁金といった措置をIOCや日本側が科す可能性があるとした。出入国に関わるルールを犯した際には、国外への強制退去もあり得るとした。

メダル剥奪の可能性については、IOC幹部は15日夜の記者会見で「具体的に話すのは避けたい」と述べるにとどめた。具体的な制裁金の額については「現時点では考えていない」(同)という。

検体提出、2パターン

原則、毎日実施する選手の検査は、試合のスケジュールに応じて朝、夜に分けて検査を受けられる仕組みを設定した。競技開始までに検査結果が出ない事態を避け、競技への影響を抑える狙いがある。

具体的には、毎日午前9時か午後6時に唾液検体の提出を受け、抗原定量検査で結果を得る。

結果判明は12時間後を想定。例えば翌日朝から試合がある選手は、前日の午前9時に検体を出してもらい、その日の夜までに陰性と判明すれば翌日に出場できる。翌日夜に試合がある選手は前日午後6時に検体を提出し、試合当日の朝に結果が判明する仕組みだ。

練習を終え、手の消毒をしてバスに乗り込むソフトボールのオーストラリア代表ら(5日、群馬県太田市の市運動公園野球場)=共同

抗原検査で陽性となった場合、同じ検体を使用しPCR検査を実施する。再び陽性となれば、選手村の発熱外来で鼻咽頭のPCR検査を行う。

検体はCLOなどの監督下で、採取してもらう。検査をすり抜けるためのすり替えなどの恐れもあり、不正防止の仕組みが不可欠となる。組織委は抜き打ち検査の実施も検討している。

  ◇

東京五輪の準備を監督する国際オリンピック委員会のコーツ調整委員長が15日午前、来日した。早朝に羽田空港に到着し都内のホテルに入った。大会本番まで都内に滞在し、大会組織委員会と連携して最終局面に入った準備の指揮をとる。

濃厚接触時など対応策を詳細に

国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)の話 選手らは陽性や濃厚接触となった場合の対応がどうなるのか不安に感じているはずだ。団体スポーツや接触を伴う競技などで想定されるケースを、事前にできるだけ細かに示すことが不安の軽減につながる。

テスト大会などで感染対策の知見を積み重ねたとはいえ、本番で初めて対応する事案が出てくる可能性はある。検査で他人の唾液を使うといった不正防止や、罰則の実効性をどう担保するか綿密なシミュレーションが求められる。

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