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人に寄り添う正義目指す 甲斐新検事総長が抱負

捜査、公判、法務省勤務と多彩な38年の検事生活で、印象に残るのが1990年代後半に東京地検で担当したオウム真理教事件の公判だという。

証人を依頼した遺族や被害者がもらした「裁判に出るのが苦しい」との言葉が頭から離れず、刑事裁判の在り方を変えようと決意した。

思いは直後に異動した法務省刑事局で実を結んだ。犯罪被害者保護法や改正刑事訴訟法の成立に関わり、今では定着した被害者参加制度や証人保護のためのビデオリンク方式の尋問などの導入に尽力した。

「意見の違いがあっても、決して高圧的にならず、気付いたら納得させられている」と法務・検察幹部が手腕と人柄を語る。

捜査や公判を指揮する立場になってからは緻密な説明を現場に求め、「甲斐の壁」とも評された。部下として仕えた経験がある検事は「判例全てが頭に入っているのではないかと思わせるほど頭の回転がはやい」と舌を巻く。判決などの節目には担当者が苦労したポイントを覚えていて、個別にねぎらいの言葉をかけることも忘れないという。

2020年の検察幹部の定年延長を巡る問題や、それに続く不祥事などで検察への信頼は揺らいだ。刑事司法のIT(情報技術)化への対応など新たな時代の検察像も求められている。

24日の就任会見で「基本に忠実に事件に取り組むことで、国民の期待に応えられるよう力を尽くしたい」と抱負を述べた。被害者に寄り添いながら、国民から信頼を集める「正義」の実現を目指し、全力を投じるつもりだ。

(かい・ゆきお、大分県出身)

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