軽井沢バス事故7年 遺族ら犠牲者悼み再発防止願う

2016年に長野県軽井沢町で大学生ら15人が死亡、26人が重軽傷を負ったスキーバス転落事故は15日、発生から7年となった。現場にある慰霊碑「祈りの碑」には未明から関係者らが訪れ、亡くなった大学生らを悼んだ。午後には同町役場で遺族会が関係団体と意見交換し、再発防止への思いを新たにした。
発生時刻の午前1時50分ごろ、事故で負傷した大学生の母親3人が訪れ、花を手向けた。3人は「何年たっても胸が締め付けられる。安全をおざなりにしてはいけない」と話した。
業務上過失致死傷罪で在宅起訴され、6月に長野地裁で判決が言い渡されるバス運行会社「イーエスピー」の高橋美作社長(61)は事故の一報を聞いたという午前5時ごろに合わせて現場の慰霊碑を訪問。持参した花を供え、手を合わせた。
取材に「ただ申し訳ないという思いで心から謝罪した」と話す一方、6月の判決について問われると「コメントを控える」と繰り返した。
午後には軽井沢町役場で遺族会や国土交通省、日本バス協会の担当者らが再発防止策について話し合った。豊田俊郎国交副大臣は終了後の取材に、昨年の名古屋市や静岡県小山町で発生したバスの乗客が死亡した事故に触れ「対策の難しさを痛感した」と話した。
遺族会代表で、次男の寛さん(当時19、首都大学東京=現東京都立大=2年)を亡くした大阪府吹田市の田原義則さん(57)は「事故を起こしてはいけないという気持ちは変わらない。これからも発信することが遺族の使命だ」と話した。
事故は16年1月15日未明に発生。長野県軽井沢町で大型バスが道路脇に転落し、大学生13人と運転手2人が死亡、26人が重軽傷を負った。〔共同〕

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