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理工系学部拡充へ文科省が基金創設 成長分野の人材育成

デジタルや脱炭素といった成長分野の人材育成に向け、文部科学省は理工系学部の新設や拡充を支援する基金を2023年度にも創設する方針を固めた。1000億円以上の規模を目指し、早ければ秋に予定する臨時国会に関連法案を提出する見込み。学部の再編が円滑に進むかどうかが今後の課題となる。

文科省の調査によると、日本の大学を出た人のうち自然科学分野の学部出身者の比率は35%で、英国(45%)やドイツ(42%)、米国(38%)を下回る。欧米では近年、理工系を専攻する割合を増やす国が多い中、日本は伸びていない。

5月に政府の教育未来創造会議がまとめた提言は「成長分野をけん引する人材の育成が不可欠」として理工系学生を全体の5割程度に増やす目標を掲げた。デジタルや脱炭素技術、人工知能(AI)などの分野への再編を促す財政支援を打ち出した。

具体策として文科省は独立行政法人「大学改革支援・学位授与機構」に新たな基金を設ける。成長分野に関連する学部を新設したり、在籍する学生の割合を増やしたりする大学に対し、初期投資や当面の運営費を補助することを想定する。

まずは23年度の概算要求に100億円を計上し、複数年で1000億円以上の確保を目指す。対象は国公私立大と高等専門学校を想定。設置主体に応じた制度設計や対象校の数、1校あたりの支援額は今後検討を進める。

政府は今後10年程度を集中改革期間と位置づけるが、基金が早期の学部再編につながるかどうかは未知数だ。

学部再編は学内の調整が難航するケースが想定されるほか、最先端の研究設備をつくるには多額の初期投資や維持運営の費用がかかる。「多少の公的支援では簡単に理工系を拡充できない」(中堅私大学長)との声が上がる。実効性を伴う制度設計が課題となる。

21年度の学校基本調査によると、全国の大学に在籍する学生の分野別の割合は人文・社会科学系合わせて45.5%だったのに対し、理系は工学14.5%、理学3%、農学3%。医療や看護などの保健系が13.1%だった。

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